蘇原店は他のグループ店と比べて、こじんまりした店構え。それでもここには、千賀が100年の長きに渡り大切にしてきた“地元に根付いた店づくり”の思いがあふれている。

　平成22年に、イトーヨーカドー各務原店が惜しまれつつ閉店。そのショッピングモールの一角で、29年間、地域のお客様に引き立てていただいたのが、旧・蘇原店だ。中学入学と同時にメガネを誂えた少年が成人式祝いにと腕時計を買ってもらったり、宝飾を気に入ってくださっていた常連さんが、年を重ねて老眼鏡を買い求めたり。時計、宝飾、メガネを通して、旧・蘇原店のスタッフはたくさんの家族の笑顔を見守ってきた。
　お客様との出会いとご縁を大切にするのは、千賀イズム。「ヨーカドー店の閉店後も、お客様がお困りにならないように」と、蘇原花園町に蘇原店が誕生した。

　現在はメガネ販売を中心に補聴器、時計も取り扱う。夫婦で来店した新規のお客様が仲睦まじくメガネを購入したり、ヨーカドー時代からの顧客様がふらりとお茶をしがてらメガネの調整に訪れるのは、実に蘇原店らしい光景。
「新規のお客様や昔なじみのお客様がメンテナンスでお立ち寄りくださる。元気なお顔を見せていただけるのもうれしいですが、いつまでもしっかりとアフターフォローできるのは仕事冥利に尽きますね」。

持ち主と生活を共にするメガネは、ネジの緩みのない掛け心地調整と、油膜を落とす定期的な洗浄はマスト。お客様からご要望があれば、開店時間前や閉店後にご自宅まで駆けつけることもあるという。
　小さくても、その存在はさながら「メガネと補聴器と時計の街のかかりつけ医」。お客様のお困りごとにあたたかく寄り添い続ける。