千賀のヒト - 酒井 一江

千賀のヒト

千賀が取り扱う商品は、すべて物語があるべきだと思っています。

宝石売場担当 酒井一江

お客様のお名前を呼んで接客する
小さな心がけが“千賀のファン”づくりに。

千賀の宝石部門でのトップセールスを独走する酒井一江さん。そんな経歴を聞くとバリバリのキャリアウーマンを想像しがちだが、話し始めた酒井さんは、ふんわりとした笑顔とチャーミングな声でやわらかに人を惹き付ける。
 「でもね、最初からこうではなかったんです。千賀に入社した日が顧客様向けセールの日で。接客するたび別の担当者のお客様で、やるせない気持ちになったのを覚えています。あの時、専任で担当するお客様を作らなきゃと痛感し、今に至っています」
 以来、“一度、接客したお客様の名前と顔は忘れない”という、あたりまえのことを地道に徹底し続けてきた。
 「私、できないことがいっぱいあるんです。パソコンとかもすごく苦手(笑)。だから、できることを一生懸命やってきました。案内状やハガキは手書きにこだわり、必ずひと言メッセージを添えて送るのもその一つです。誰でもできることかも知れませんが、それでお客様が喜んでくださって、次のご来店の際のコミュニケーションにつながっていくのは、やっぱりうれしいですね」

自信を持っておすすめできる
“語れるダイヤモンド”が、千賀にはあります。

 顧客数がいくら多くても、お客様の一人ひとりに商品で満足していただかなければ意味がない。その点、千賀はクオリティ、ブランド、ラインナップのいずれをとっても自信を持って提案できるアイテムが揃えられ、どれを選んでも間違いがないというのが根底にあると、酒井さんは穏やかに語る。
 「地球上で一年間に採掘されるダイヤモンドの総量は、大体2tトラックで一杯分。その中でフォーエバーマークの刻印が打たれたものは1%未満なんです。それほど厳選された、他にはないような“語れるダイヤモンド”が千賀にはあります」

ダイヤモンドの原石がたどる運命に
結婚を誓う二人の物語をのせて。

 「ダイヤモンドって、一つの原石を二つに研磨することで生まれる、そのうちの一粒なんです。地中の奥深くで30億年という年月を過ごした原石が、採掘後、二つに研磨され、大きさや品質で選別されてそれぞれに売られていく…。もともとは同じ原石であっても、その2つが再びペアとして出会う確率はゼロに近いでしょう。
 ところが、千賀には一つの原石から生まれたダイヤモンドを、二つに分かち合って作られた結婚指輪があるんです。二つで一組のペア石なんですね。
 オーダー品なので少しお時間はいただきますが、世界でたった一組しか作れない結婚指輪なんですよ」

 現在、世界の総人口は約73億人。その中で、たった一人の運命の人と出会う奇跡。そんな二人だけの物語や、永遠の愛を込めるのに相応しい指輪選びを、酒井さんはその豊富な宝石知識を基にサポートしてくれる。

無くても生きていけるものだけれど
持つことで気持ちが好転する、宝石の力。

 「ジュエリーって、結局はそれが無くても生きていけるものなんです。それでも、うれしいことがあったり、頑張った自分へのご褒美にとジュエリーをお買い求めになる人が多いのは、身に着けることで気持ちを奮起させたり、記念日を忘れないでおくための役割を果たすからだと思うんです。
 そんな特別なお買い物のお手伝いができるのは、私にとってもたいへん光栄なこと。お客様との何気ないおしゃべりを通して、どんなものがお求めなのかを感じ取っていきながら、ときにはお客様の背中を後押しする役も買って出ます。ほら、高額なお買い物って、自分自身を納得させる理由が欲しかったりするじゃないですか」

 言葉の端々からにじみ出る包容力とお客様についての情報力、そして、千賀歴26年に裏打ちされた宝飾品に対する審美眼。この3つがベースとなった親近感ある接客が、世代に渡ってお客様の心を掴む。
 「お母さんがお嬢さんに成人の記念にパールを買われたり、お嬢さんが婚約指輪を選ばれたりと、節目ごとに家族の物語に立ち合えるのは幸せなことですね。小さかったお嬢さんがご結婚され、お孫さんを連れて三世代でご来店いただくと、感慨深いものがあります」
 100年の歩みは、スタッフ一人ひとりの地道な“千賀のファン”づくりに依るところも大きい。これからも酒井さんは、あたりまえのことを大切にした接客で千賀のトップランナーを走り続ける。


宝石売場担当

酒井 一江Kazue SAKAI