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千賀のコト

  • 2018年11月19日

    補聴器はどんな作業をしているの?

    デジタル補聴器って聞こえを良くする為にどんな作業をしているのかわかりづらいですよね。今回は音を画像に例えて分かりやすく説明してみます。

    まず、健聴者の聞こえ方です。低いところ(小さな音)のワンちゃんから高いところ(大きな音)のお母さんの顔まで分かりますよね。

    これが難聴になるとだんだん小さい音が聞こえなくなくなってきます。イラストだとお母さんの顔は分かりますがワンちゃんは見えなくなりました。中間にある子供さんの顔もぼけ始めていますよね。

    じゃあ、「音を大きくしますよ」って持ち上げるとワンちゃんは見えるようになりましたが今度はお母さんの顔が大きくなりすぎて切れてしまいます。音がギリギリ聞こえる小さな音から苦痛で無く聞こえる範囲をダイナミックレンジ(可聴範囲)といいます。特に感音性難聴の方はダイナミックレンジの下限は大きな音になりますが上限は健聴者とあまり変わりません。ダイナミックレンジが狭くなってしまうのです。ですから音を単純に大きくすると上限がはみ出てワンちゃんはわかるようになる代わりに今度はお母さんの顔が分からなくなってしまいます。

    補聴器は必要な音をダイナミックレンジの中に入れるためにある程度より大きな音を圧縮して快適に聞こえる範囲内に収めてくれます。お母さんの顔はちょっと圧縮されてしまいましたが誰だか分かりますよね。

    次の図はさらに背景にある画像を薄くして人物をもっとわかりやすくしています。補聴器でいうと雑音抑制装置です。会話の聞き取りに邪魔になる騒音をカットして会話音をより浮きだたせてくれます。

    これ以外にも最近の補聴器は聞き取りを助ける色々な工夫がされています。これを調整して使う人それぞれに合わせていくんですね。

    これで補聴器がどんな作業をしているのかイメージの助けになればさいわいです。

     

     

    2018年11月19日

    category:

    author:
    村瀬 利昭